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サイン会はいかが?:大崎 梢

タイトルサイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ
著者/監督/Artist大崎 梢
価格, 出版¥ 1,575 東京創元社
評価★★★★
2007-09-25

おなじみの成風堂書店を舞台にしたミステリーが五つ。
他人の名を語り本を注文する迷惑ないたずらのようなミステリーや
本屋に まつわるエピソードをつづった「君と語る永遠」他
タイトルになっている「サイン会はいかが?」など
書店でおきるミステリーもの。

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気軽に読めて、楽しい。
以前にもこのシリーズを読んだが、どれも 書店を舞台に起きるミステリー。
本屋好きには、たまらない。
ところで、後書きに 学生時代に良く行っていた書店が無くなった書いてあった。
そうなのか。
あそこは、上に「栞」というカフェがあって とても気に入っていたのに。
そういえば、古書店はどうしたのだろう?
隅から隅まで探して、渋澤や近世モノなどを探したな~。
東口に大型店ができてしまったので、すっかりそちらに客を奪われてしまったのだろうか。
ずっとあるだろうと妙に安心していただけに、いつの間にか無くなってしまったことが一層切ない。

この本にも、亡き父とのかすかな思い出を書店に見いだす少年の話がある。
そうそう、小学生くらいの時って広辞苑を片手では持ち上げられなかったな・・・。
今でも ちょっとキツイかも。

金春屋ゴメス:西條奈加

タイトル金春屋ゴメス
著者/監督/Artist西條 奈加
価格, 出版¥ 1,470 新潮社
評価★★★
2007-09-12

【「BOOK」データベースより】
300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ケ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わずびびる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスは、辰次郎に致死率100%の疫病「鬼赤痢」の謎を追えと命じる―。第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作。

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佐々木丸美を続けざまに読み、少々心が病んできたので、ここらでちょっと一休み。
軽く読めるものを探し、ファンタジーノベル大賞作をチョイス。

なるほど、大賞受賞というだけあって、読みやすい。
ただ、ちょっと登場人物のキャラクター設定が甘い。
いや、キャラクター設定は正しいのだろうけれど、描ききれていないのかもしれない。
シリーズモノになり、何作も書く内に、それぞれの魅力がでてくるのかもしれない。
先に期待できる作品だ。

ドキドキするほどの、素敵な魅力的な登場人物に成長することを願う。

水に描かれた館:佐々木丸美

タイトル水に描かれた館
著者/監督/Artist佐々木 丸美
価格, 出版¥ 780 東京創元社
評価★★★
2007-09-11

「館」3部作の2作目にあたる作品。

涼子の目を通して、登場人部を描きだしている。
心理学や、人間行動学などを中心に「奇跡」に解釈を試みている。
おもしろいといえば、面白い。

けれど、私のこの作家の作品を一気に読み過ぎてしまって
すこしばかり、食傷気味。
この「奇跡の解釈」についても、やりすぎで いい加減にしてほしいなあ・・と
感じること、度々。
読むことが辛いのか、内容的に拒否しているのか
読書中に、気が散ったり眠くなったりして脳が拒否しているのがわかる。

しかし、この作品を中心に数冊程度の読書量なら
この作品も、もっと楽しめたかもしれない。

時間がたったら、もう一度読んでみようか。

夢館:佐々木丸美

タイトル夢館 (1980年)
著者/監督/Artist佐々木 丸美
価格, 出版¥ 924 講談社
評価★★★★
2007-09-09

「館3部作」の3番目の作品。

しまった、最終巻を先に読んでしまった。
まあ、良いか。

ところで、この作品は少しおかしい。
筆者の執筆の揺れを感じる。

ひょっとしたら、もっと長編だったものを
無理矢理短くしたのか?
なにか、不安定さを感じさせる。
もっと「不思議」についての記述があってもよかったし
館についての、心の動きや空気感が表現されていても
よかったはずだ。
なのに、なぜ 割と淡泊な表現に終わっているのだろうか?
または、筆者が故意にそれらの表現を避けたのかもしれないが。

たとえば、「その」世界に引きずり込まれそうになって
迷ったとか・・・。
ファンタジーなら、ファンタジーで 書ききって欲しかったな。

風花の里:佐々木丸美

タイトル風花の里
著者/監督/Artist佐々木 丸美
価格, 出版¥ 1,680 ブッキング
評価★★★★
2007-09-08

【出版社/著者からの内容紹介】
幼い頃に「あか」「あお」「あき」の名を持つ3人の子どもたちを目撃し、記憶に留めていた星玲子(れいこ)。愛猫"とら"と幼馴染・丈に守られ懸命に生きていたが、幼い日の記憶がつないだ縁と、祖父がのこした幻の遺産に翻弄される。星玲子の数奇な運命は----。『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』に続く<孤児>4部作の第4弾。

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孤児3部作の続編てきなポジションの作品か?
コレを読むことで、3部作を読了後に沸いた疑問が
すっきりと、解決された。
しかし、本来なら これらの後の時間の流れを書いた作品が
あっても良いはず。
未発表作品が、たくさんあるらしい とのこと。
いつか、発表される日が来ると良いのだが。

新恋愛今昔物語 :佐々木丸美

タイトル新恋愛今昔物語 (佐々木丸美コレクション 10)
著者/監督/Artist佐々木丸美
価格, 出版¥ 1,600 ブッキング
評価★★★
2007-09-08

春夏秋冬を名前にもつ、4人の友人達。
その それぞれに起きる奇跡と恋愛・結婚。
失敗をすることで、自分の欲をみつめ、反省し
そして幸せになっていく。

一見単純な物語構成だが、女性特有の狡猾さと甘さが
よく描けている。
しかし、ここまでぶつけ合う友人はいないと思うけれどね。

「恋愛今昔物語」よりも、こちらの「新~~」の方が
作品としてまとまっていて 読みやすい。

恋愛今昔物語 :佐々木丸美

タイトル恋愛今昔物語 (佐々木丸美コレクション 9)
著者/監督/Artist佐々木丸美
価格, 出版¥ 1,600 ブッキング
評価★★★
2007-09-08

よく知られた昔話と恋愛の不思議や奇跡をからめた
短編集。
どの作品も共通の「頑なさ」と「妬み」でできている。
おそらく、これが佐々木丸美の作品の特徴であり
個性なのだろう。

忘れな草:佐々木丸美

タイトル忘れな草
著者/監督/Artist佐々木 丸美
価格, 出版¥ 1,680 ブッキング
評価★★★★
2007-09-05

【出版社/著者からの内容紹介】
葵と弥生。二人の少女が企業の継承権を巡る争いに巻き込まれた。教育係の高杉青年を慕う二人の恋心は巧妙な策略に飲み込まれ、運めの糸はもつれていく。少女の愛と成長を抒情的に描いた名作『雪の断章』に続く、孤児シリーズ第二弾。

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孤児シリーズ第1弾(雪の断章)との絡みものぞかせ、しゃれた構成になっている。
内容的には、決してしゃれているわけではない。
何が本当なのか、どれが計略なのか。
まったく読者にわからないうちに 話はテンポ良く進んでいってしまう。

もう、そんな事から離れて 自由におなりなさい、と
声をかけたくなる。
自己を振り返り考えてみる。

ここまで、はっきりした事柄はないのかもしれないが
どんな人にも、振り払うのが難しい 過去とのからみや
思いこみ、こだわりがあるはずだ。

こだわりから 解放されたら
そこに、幸せがあるのかもしれない。

雪の断章 :佐々木丸美

タイトル 雪の断章 (佐々木丸美コレクション)
著者/監督/Artist 佐々木 丸美
価格, 出版 ¥ 1,680 ブッキング
評価 ★★★★
2007-09-04

【出版社/著者からの内容紹介】
伝説の作家・佐々木丸美の作品集「佐々木丸美コレクション」第1弾! 天涯孤独の少女・飛鳥は雪降る札幌で青年・祐也と出会い、彼に育てられる。2人の運命と苦しいほどの愛を描いた珠玉の名作がついに復刊! カバーイラストは味戸ケイコ氏による描き下ろし。エッセイ「雪の街への憧憬」と著者年譜を巻末に特別収録。
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斉藤由貴主演で映画にもなった作品。

孤児院で育ち、とある家に引き取られた少女・飛鳥。しかし、家族から冷酷な
扱いを受け、奴隷のように働かされる。理不尽な仕打ちと耐え忍ぶだけの日々
にピリオドを打つために、幼い飛鳥は家を飛び出した。
札幌の大通り公園で、行き場を失った飛鳥を救いだしてくれたのは青年・祐也。

飛鳥は祐也のもとで育てられ、やがて育ての親である祐也に対して恋心を抱き
はじめる。しかし、悲惨な殺人事件が起きたことから、穏やかな暮らしは一転。
2人の運命は動きはじめる。

育ての親への恋、殺人事件、人間の愛憎劇といった要素だけをみると非常に
ドラマティックですが、それだけではないのがこの作品。
少女の頑なな部分と繊細さ、そして魂の気高さが美しくリズミカルな文章で
綴られており、人間心理の複雑さも巧妙に描かれている。

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「傷」を抱えて生きていくというのは、
無条件に越えられそうにない、越えるのがむずかしい
心の壁をつくってしまうものなのだろうなと
想像させてしまう。

幸せとは、はやり、自分がいかに感じるという事で
他と比べて、または 絶対的にと計れるモノではない。

大切なモノは、大切と素直に感じ、
幸せだと表現できる心をはぐくみ育ててくれた両親に
今更ながら感謝する。

久しぶりに、読了時に涙がこぼれた。

罪灯:佐々木 丸美

タイトル 罪灯
著者/監督/Artist 佐々木 丸美
価格, 出版 ¥ 1,680 ブッキング
評価 ★★★★
2007-09-03

春・夏・秋・冬の名前を持つ 女性4人の遭遇する
人の心の闇ととまどい。

犯意のある「沈黙」は、罪か?
悪意に抵抗するための、ちょっとしたいたずら心から発した「意訳」は 罪か?

危うい季節を生きる若い女性達が巻き込まれる事件の数々。
自分のトラウマを、いかに飼い慣らしていけばよいのか。
手痛い失敗によって、一づつ 学び、大人になっていくのだ。

罪・万華鏡:佐々木丸美

タイトル罪・万華鏡 (佐々木丸美コレクション 7)
著者/監督/Artist佐々木 丸美
価格, 出版¥ 1,680 ブッキング
評価★★★★
2007-09-03

吹原医師にもちこまれた、精神障害者として持ち込まれた案件の4編の物語である。
たとえば、傷害事件として。
精神的に事件を起こしてしまうほど 追い込んでいく被害者と
理性を破壊されて、事件として行動してしまった加害者。
本当は、どちらに罪があるのか・・・。

読んでいて、つくづく思う。
私の身の回りでも、あり得る話だし
ああ、あのときのあの人の反応は
こういう事だったのではないだろうか?と
思い当たる節が、多々ある。

人の不幸を喜ぶ人間こそ
避けて通らなければならない 魔物である。

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